田舎暮らしの 住まいつくり

自然を求めて里山に家を造ることについて    04,9,2


都会の喧騒とした非生物的な空間を離れて、水や空気のきれいな田舎でゆっ
くりと静かな生活を送りたいと思うことは、今も昔も自然な一つの流れ
でしょう。
しかし今日環境問題がこの行為の持つ意味をかって無く重くしつつあるなかでは、己の行おうとする行為が及ぼす周囲への影響について思いを致す必

要があるとおもいます。それにはまず、

1.何故自分は自然の中に、安らぎを感じ生活したいと思うにいたったのかについて、少しく振り返ってほしい。

自分や家族の今までのライフスタイル、価値観、ひいては日本人、人類の歩んできた過程を。自然や環境と自分との関係について。(参考1)
そして
2.科学技術に支えられた文明生活が頂点に達し、環境問題や生活習慣病、子供の育ちの不全を引き起こし、このことが今日差し迫った課題であること

は、だれしも認めることでしょう。しかし社会的にも個人的にも悩ましい問題であり、先送りしたつもりで目をそらし改善の方向に歩み出せなでいるこ

とは、日常の多忙感にかまけている自分にとって最も重要なことを放棄し実は最大の損失を招いているとも言えるのです。

それに加えて今個人が為しえる最大の環境破壊を起こしかねないことなのです。
地表をけずって人工物を造作することは。そして使用する材料の由縁を考慮しなければ。

つまり苦労して住まいを得て、そのあげく体調を崩すなどあってはならないのです。

折角夢の実現に向かって意気上がっているときに一見水を差すようですがこの検討を加えることにより、より一層自然と調和した住まいが出来、後悔ではなく一段と深い感慨に到達してほしいのです。


住まいつくりの決断は、設計士でもなく、大工さんでもなく、ハウスメーカーでもなく、自分自身がしたことですから、最終責任は自分にあるのです。

 家を造ると言うことは、人生の中で大きな仕事ではあっても、決して最終目標ではありません。自分がどのようなライフスタイルをつくっていくかの一つ

の手立てとしての意味であり、そこに自分の住まいつくりとしての自己責任が生じるわけです。

そして、自らの住まいを得るという結果は、自分がどの程度そのプロセスに関わったかに関係なく裸の自分がそこに見られることに加え意識下の内面さえも対象化されて具現化してしまうのです。決して設計士や大工さんに任せたのだからと責任を転嫁できないのです。

住まいつくりは、ひとつの過程です。自分のライフスタイルを創りあげていくことのなかでの大きな一助です。そして、時間をかけて住まいをつくり上げていくと言う過程の中に自分のやりたいことが組み込まれ、生活全般が見直され相乗的に相互に充実してくるのです。
どういうライフスタイルを作り上げていくか方向が見えないうちは、当然のこと住まいはつくれない。設計しようにも生活スタイルが見えないことには間取りも中途半端になってしまう

 土間が欲しいーーー土間で何するの。外断熱にして欲しいーーー木造戸建で?
自分がやりたいことがハッキリすればするほど設計がスッキリする。
ハッキリしなければ誰にでもあうそこそこの一般的なモデルハウスになってしまう。

農家の間取りが似かよって在るのは、生活の積み重ねの結果のはっきりした意思が形になったのであり、モデルハウスとは、似て非なるものです。

家を造るということは、自分の生活全体を、見つめ直すことであり、自分と自然との関わり、自分と家族、人との関わりの豊かさを作り上げていくことにも通じることなのです。

ここでデザインの原則を確認しておきましょう。

① 相互関連性   つながりのある配置、  一つ一つの構成要素(家、池、道路など)を相互に助け合うような位置関係に置くこと。
② 多機能性   システム内の一つの構成要素が、一つの機能でなく多くの機能を営むようにする。
③複数要素支援 重要な機能は、二つ以上の構成要素によって支えられること。
④高率的エネルギープラン ゾーニング、カスケード、重力の利用
⑤生物資源の利用  小さな物質循環 持続可能性
⑥エネルギー循環    系内の汚染物 システム内のエネルギー回収利用
⑦小規模集約システム  植物の重層 高木、中木、低木、下草→集約シス    
           テム
           時間の重層 先駆植物から極相までの植物を1時に植える。
⑧自然遷移の活用と加速  1年草だけを植える現代農業から生産性の高い                      
               極相的農
⑨接縁効果     edgeはシステム内の最も多様な地域
⑩多様性      複雑であればあるほど安定する。バックアップ機能。

     肝心なことは、総ての物事には両面があるということ。パーマカルチャーデザインは、エネルギー集約的でも資本集約的でもなく、情報と想像力集約的である。(以上詳細はPC10の原則参照)。


1.先ずはアプローチの検討。(その土地にどの方向から迎えてもらうか。
聴いて従う。)

あなたが田舎の土地を購入したとしたら、その土地は自分の所有物でありほじくったり地表をコンクリートで塞いだり、どんな建物を建てようと全く自分の自由だと思ってませんか?大いなる勘違いでしょう。

 かって、アメリカ大統領がインディアンの酋長シアトルに、土地を買いたいと申し出たときの、シアトルの回答が残っている。「大統領は不思議なことを申し込んだ。一体空気を所有する事が出来ないように土地も所有など出来るものではない我々は使わせてもらっているだけだ。云々」
                       (参考)
   土地 表土は、太古の昔から遙かな未来にわたって地球の表面で自然物、あらゆる命を育んできた、大切なものです。林の中を歩いたとすると片足の底には、  の虫や微生物が生活しているのです。地表は生態系の重要な部位です。

特に林や草木に覆われた大地は、水の循環の一翼を担っている。
つまりその土地は、呼吸しており生きているのです。そこにあなたがお金を払ったからと言う人間社会の内部ルールをもって、勝手なことをすることなど出来るものでしょうか。しかも自然と調和した生活を目指す貴方ならなおのこと。
  それではどうしたらよいか。
 私はこの土地が気に入りました、出来るだけ迷惑をかけないように致しますから使わせて頂きたいのです。と言う心構えをいたしましょう。  耳を澄まして観てください。雲を、星を、月を、風を、雨を、山並みを。
目を凝らして聴いてください。足下の草の、木の、土の、水、石の声を。
そしてそのささやく声を肌で感じてください。

聴いて従うと言う態度が認められれば土地が貴方を受け入れてくれます。
そうすると、土地の方から心地よい風が迎えにきて入り口を教えてくれるでしょう。そこが貴方の進入路なのです。

この進入路がまづ第一に検討すべきことで全体計画、ゾーン分け、屋外設計、の後間取り取りとかはその後の検討になります。


2 建物の規模及び外観について。
次に検討すべきことは外との関係で建物の規模及び外観です。

建坪(表土を塞ぐ負荷面積。生態系の連鎖が代替修復可能な面積。)は、敷地面積の半分は超えないようにする。
住宅の規模は、必要最小限が好ましく、床面積がさらに必要な場合は2階も考慮して良い。2人で生活するとすれば、20坪(10坪+5坪×人数)で充分です。これがベースとなり家族のライフサイクル、来客、催事にも考慮する必要があるが、要は多機能的に使うことにより、トータルとして最大の恵みを受けられることが良いことでしょう。
・ヒューマンスケールで風土に馴染み風景にとけ込める外観(規模。形。色。材質)。
・つつましさを感じる存在感。違和感のない昔からそこにあったかと思える外観。
緑の中を歩いてきた来訪者(人、動物)が、ドキッとするような風景は避けたい。

3、
そして、敷地全体の大まかなデザインをします。 ゾーン分け。
住宅  憩いの場  作業場
        野菜
        家禽
        果樹
ここで留意すべきことは、敷地の周囲との調和です。敷地の中で住宅が調和するように、敷地のデザインが、その周囲とよく調和するデザインが心地よいことの条件です。       (参考)










3 さて建坪、間取りの検討です。

許された方向から入り、許された位置に許された大きさの建物の検討です。
例えば 温かみがあり和みが感じられることが希望とすれば
縦、横、高さのバランス。空間量。壁量と開口面積。黄金比
材料質感――木、土(土から生まれ土に還る材料、)――温かい、安心感
  プラスティック、化学塗料(理解できない素材)――冷たい、不安
1 多用途に使う。できるだけ専用の部屋は少なくする。融通無碍の大きな空間。→時間、場所的に固定性を少なく柔軟で創意工夫を生かせる。民家の知恵
       一人は、同時に2箇所を占有できない。
       時間をかけて造り上げていく。
2 二つ以上の機能をもたせる。
    土や レンガのキッチンストーブ→暖房、温水、料理、語らいの場、
     縁側の機能 内外の中間(遮断拒絶でなく、受け入れ関係性)
           お茶のみ、豆干し、ネコの陽だまり

3、自然エネルギー
エネルギーは、住宅のみで考えないで、場所性を考慮する。
太陽光の入射角  冬30度 夏78度――庇
夏の林の冷気の取り入れなど空気の流れを取り入れる。
自然のエアチューブ。
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by kimizudo | 2010-01-11 17:52  

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