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昭和5年の春

「政治はなんら国民の幸福を願う政治ではなく、政権の争奪に日を暮らし、政党は資本家の走狗となりその腐敗は極度に達している。経済は発展したがこれは皆個人資本主義の局地であって、国家の利益は考えず、自己の利益のみに汲々とし、貧富の差は隔絶し、さらに資本家を政党政府もまた国民の敵たる観を呈している。外交もまた不甲斐なき有様であたかも国家女郎の観がある、」
これは、昭和5年の春、陸軍参謀本部橋本中佐の手記である。(クーデター3月事件である。その後10月事件、そして5,15事件2,26事件と進んでいった) ー辺見庸による。ー
現在と見まがう程の状況である。そして時の権力体制が事件を処分できないことも恐ろしいほど似ている。
理由は処分する側にも加担者がいて手がつけられなかったからだという(松本清張)。
75年も前のこと。歴史は繰返すのだろうか。

by kimizudo | 2008-12-08 18:55 | 時事雑感  

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